産業廃棄物収集運搬業許可の概要
目次
産業廃棄物収集運搬業許可とは
どのようなものか?
産業廃棄物の収集運搬業に必要な許可
産業廃棄物の処理を業として行うためには、管轄する都道府県・政令市の許可を受けなければなりません。
産業廃棄物の収集・運搬業を行う場合に必要な許可を「産業廃棄物収集運搬業許可」といいます。
産業廃棄物に関する業務はいくつかありますが、収集運搬業が最もポピュラーな為、産廃許可と言ったら収集運搬業許可のことを指す場合が多いです。
ただし、産業廃棄物処理業の許可は、以下の4種類に区分されており、それぞれ全くの別物なので注意が必要です。
許可の種類 | 内容 |
---|---|
産業廃棄物収集運搬業 | 産業廃棄物を収集・運搬するために必要な許可 産業廃棄物を積替・保管する行為を含むか含まないかで区分 |
産業廃棄物処分業 | 産業廃棄物を処分するために必要な許可 中間処理業(焼却、破砕等)と最終処分業(埋立て、海洋投入)がある |
特別管理産業廃棄物収集運搬業 | 爆発性、毒性、感染性などがあって、特別な管理が必要な「特別管理産業廃棄物」を収集運搬するために必要な許可 特別管理産業廃棄物を積替・保管する行為を含むか含まないかで区分 |
特別管理産業廃棄物処分業 | 爆発性、毒性、感染性などがあって、特別な管理が必要な「特別管理産業廃棄物」を処分するために必要な許可 中間処理業(焼却、破砕等)と最終処分業(埋立て、海洋投入)がある |
注意点として、これらの4つの許可はそれぞれ独立した許可になっているため、目的に応じた許可をそれぞれ取得する必要があります。
産業廃棄物収集運搬業許可の区分
産廃の収集運搬に関する契約書やマニフェストで「積替保管」という文字を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
「積替保管」とは、産業廃棄物の収集運搬工程で、産廃を車両から下し、一時保管や別の車両へ積替を行うことをいいます。
トラックなどの車両に産廃を積み込んだら、処分場へ直行する「積替え・保管を含まない」が許可としては一般的です。
しかし、例えば廃棄物が少量の場合、荷台に空きがあるのに都度処分場に行かなければならないとなれば非常に効率が悪くなります。
積替保管はこういった場合に効率よく収集運搬する為に活用されています。
ただし、「積替え・保管を含まない」と比較すると取得難易度は高めとなります。
許可の要件
産廃収集運搬業許可を取得する為には、下記4つの要件すべてをクリアする必要があります。
- 収集運搬業の講習会を受講していること
- 収集運搬に必要な施設を有すること
- 経理的基礎を有すること
- 欠格要件に該当しないこと
要件1 収集運搬業講習会の修了
個人事業の事業主や法人の役員が「公益財団法人産業廃棄物処理振興センター」の行う「産業廃棄物収集・運搬課程」を受講し、講習の最後に行われる試験に合格する必要があります。
要件2 運搬施設
運搬施設とは、産業廃棄物の収集運搬を行う車両と容器のことです。
回収した産業廃棄物の飛散を防止したり、運搬車両の使用権限があることなどを証明する必要があります。
要件3 経理的基礎
申請前直近3年間の決算書が債務超過になっていない、適正な自己資本比率を有している、納税の滞納がないことなどを言います。
要件4 欠格要件
過去に暴力団とのつながりがないこと、刑法の罪を犯していないこと、産業廃棄物に関する法律違反による刑の執行が終わってから5年未満などが欠格要件となります。
欠格要件はいずれか一つでも該当してしまうと許可を取得することはできません。
申請・届出の種別
産業廃棄物収取運搬業許可では以下のような申請や届出を行う必要があります。
許可取得後も更新や変更申請が必要となります。
新規許可申請 | 初めて産業廃棄物処理を業として行おうとするときに必要な申請です。産廃収集運搬業を行う為には必ず申請することになります。 |
更新許可申請 | 許可の有効期間(5年)ごとの許可更新を行うときに必要な申請です。 産廃収集運搬業許可には5年の有効期間がある為、5年毎に必ず更新が必要です。 |
変更許可申請 | 許可取得後に、産業廃棄物の種類の追加など、事業の範囲を変更するときに必要な申請です。 |
変更届 | 住所、役員、運搬車両など比較的軽微な変更時には届出が必要です。 |
許可取得にかかる期間
申請先となる役所により、若干の差異はありますが、申請してから許可取得にかかる期間は40日程度です。
※福井県では標準処理期間(役所の審査期間の目安)は30日とされています。
この期間に産廃収集運搬講習の受講や申請書作成の期間を加えた期間が許可取得にかかる期間となります。
申請書作成等にかかる期間は組織によりまちまちですが、おおよそ1~2ヵ月程度を見積もっておくようにしてください。
無許可営業時の罰則
許可を得ずに産業廃棄物収集運搬業を営んだ場合、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金又はその両方が課せられます。
無許可営業にはこのように非常に重い罰則が課せられます。
適正に許可を取得し、法令を遵守した営業を行うようにしてください。
最後に
今回は産業廃棄物収集運搬業許可がどのようなものであるか、その概要について解説しました。
産廃の収集運搬業を営む為には必ず、この許可が必要です。
ニーズは常に有る業務でありながら、要件はそれほど難しいものでもない為、新規参入や事業拡大による参入も比較的容易です。
当事務所でも産業廃棄物収集運搬業許可の申請代行を承っております。
産業廃棄物収集運搬業許可をご検討の際は、是非お気軽にご相談ください。
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